後桜

43/46
前へ
/181ページ
次へ
「光輝...なんだか最後はあっけなかったね。」 「そうだな。」 「倉橋くんも...」 「そうだな。」 「そうだなしか言えないの?」 「い...いや、少し考え事を。」 「なに?」 「桜の祖父が仙になるだろう?」 「うん。みんなが帰ってきたらすぐなのかな?」 「明日には... だが、それでいいのかと思ってな。」 「どうゆうこと?」 「仙は4人の同意と本人の同意がいる。 それを満たしてはいるんだ。 桜の祖父は、誠実で優しい。 きっといい仙になるだろうし、中心にふさわしい、 指導力もあると思う。 だが、桜達は事情を知っている。 悲しませたくはない。」 「なーにを言っておるんじゃ。 儂はもう決めたんじゃ。」 と頭を撫でてくる。 「お祖父様!」 「それに、儂はよう生きてあと20年ぐらいのもんじゃ。 その間は仙であろうとも桜と共におれる。 そういう約束じゃったの?」 「そうだ。 その後はここには住めんが、 桜達だけなら会うこともできるように取り計らっている。」 「だったらなんの問題もない。 曾孫の顔も見れるし、儂には異存はない。」 「私たちがいなくなった後も、この家のこと見守ってくれますか?」 「もちろんじゃ。 人と関わってはいけないとの掟だけは守るがの。」 「なら、お祖父様が決めたことならいいです。 約束だけ守ってもらえれば。」
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

360人が本棚に入れています
本棚に追加