三桜

3/52
361人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
食堂に行くともう叔父様が来ていた。 「叔父様! 傷の具合はどうですか?」 「もう大丈夫だよ。 心配掛けて済まなかったね。」 「でも、私の事でこんなことになったから...」 「桜ちゃんが気にすることは何もないんだよ? みんな無事だったんだから、良しとしようじゃないか。」 頷いて叔父様に座って欲しいと告げる。 ちょうどいいタイミングで真紀さんが食事を持ってきてくれた。 「中途半端な時間でしたし、何もお食べになられてませんでしたから、 お粥にしました。」 「ありがとう。 じゃぁ、食事は私だけならみんなにお茶でも入れてあげて。」 「かしこまりました。」 丁度みんなも集まりだしたので、私だけ食事させてもらって、 みんなにはゆっくりしてもらうことにした。 「あぁ、桜ちゃんはこの薬とお茶飲んでね。」 「前のとこれはなんの薬? お茶はわかる気がするんだけど。」 「疲労回復だよ。」 「ふーん。 変な薬じゃないよね?」 「信用してよ。 冷たいねぇ。」 「ちゃんと飲むから。 で、尚隆も行くの?」 「行くよ?」 「その着流しで?」 「毎日着替えてるよ?」 「兄様..........」 「桜が言ってるのは着物だと目立つから、俺みたいなの着ろってこと。 見た目だけは俺と変わらないんだから。」 「じゃぁ、今日だけね。」 このやり取りだけは疲れるから、悪いけど兄様に丸投げ。 食事も終わり、流も車で待つってことだったので、 兄様に運転してもらって病院まで行くことにした。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!