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寒い、寒い冬。 鬼兵隊は遊里に繰り出していた。 何処か落ち着かない様子の来島又子。 其処へ河上万斉が言う。 「無理して来ることはござらん。お主は帰れ。」 「だ、だ、だいしょおぶっスヨ、河上先輩!さささ、先輩は彼方の綺麗な婦の人と...」 河上は婦たちを一瞥した。 「ふぅ...無理はするなよ。」 河上が居なくなり大広間を見回した。 上座に居るであろう人物が居ないことに気がついた。
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