No.7 [2015/12/29]

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----- 2015/12/27 -------------------- 今日は雨です。 お腹が痛いと嘘をついて学校を休みました。 パジャマ姿のまま窓から空を見上げる。 窓から丘の上のお屋敷が見えます。 悪魔が住んでるとか言われてるけど、おじいさんが住んでるみたい。 鼻が大きくて曲がったおじいさん、ワシ鼻っていうのかな。 僕の家と同じように、あのお屋敷も濡れてます。 あれ、お屋敷の窓のところに誰かいる。 背が小さい、子どもみたいだ。 うーん、よく見えないけど、僕と同じぐらいだと思うけど。 あの子も学校を休んでるのかな。 聞いてみようかな。 ----- 2015/12/28 -------------------- 玄関から二階へ向かう階段を見上げ。 「・・・なんだこれ」 と独り言呟いていた。 階段の先、二階からぬっとりと粘土の高そうな薄黄色の液体が流れ落ちてきている。 それは玄関に溜まり、一部分は隙間から外へ漏れ出しているようだ。 知っている液体で言うと、油が近いだろうか。 とにかく油が二階からずっと流れてきている。 さらに、だ。 時々、ウナギが油を下ってくる。 ウナギは玄関で苦しそうに油の中でもがいている。 これはどういう状況なのか。 とりあえず外に出るべきか、いや、玄関は油まみれだ。 二階に行って、どこから油が流れてきているのか確認するべきか。 んー、しかし油の中を歩いて行くのは・・・ 不意に後ろでパチパチッと聞こえた。 振り返り。 「・・・ヤバい」 玄関の外に炎が迫っている。
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