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結婚祝いだって言うから、堤課長に愛想笑いしてなくちゃいけなかったしね。
だからつい、いつになく飲み過ぎてしまったのだ。
それなのにあの男は、私に声一つ掛けずに二次会かよ!
絶対あいつより出世してやる!!
……いや、私が寝ていたせいだと分かっておりますけれども、はい。
「黎子さん、大丈夫ですか? 涙、止まりました?」
「うん、止まった。ありがと」
照れくさくなって、へへっと微笑んだら、ゆるりと笑い返してくれた。
ああ、いいな。
猪瀬の可愛い笑顔は癒される。
もう四年もずっと一緒にいるから、体に馴染んでいるんだよね。
ペットみたいに、懐かれてホッとする。
「じゃあ、もうちょいブラ見せて」
一瞬で、身も頭もカチンと固まる。
幻聴じゃなかったのか。
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