3573人が本棚に入れています
本棚に追加
/519ページ
というのも、猪瀬が関心を持っているのは、あくまでもブラに対してであって、私に対してではなかったからだ。
彼の発する言葉はブラを賞賛する言葉であって、私の肉体についての言及はない。
だから、男に対して見せているという意識はなくて、ランジェリー好きのおしゃれ女子に更衣室でせがまれて、仕方ないなぁとチラ見せしてやっているくらいの感覚であった。
女子校育ちだから、そういうのには慣れているのだ。
うん、それが間違いですよねー。
猪瀬は私が手塩にかけて育てた後輩だけど、性別は男だった。
恋愛対象も女性のはず。
それを思い出したら、見せてやる義理はない。
そう、猪瀬はついこの前までは、可愛い後輩だった。
育て方を間違ったんだろうか。
いや、あの飲み会のときの対処を間違っただけだ。
育て方自体は間違ってない、と思う。たぶん。
最初のコメントを投稿しよう!