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ニコッと笑った猪瀬の視線を追って、自分の胸元を見る。
「ひゃっ」
とろみのある深いVネックのカットソーの隙間から、レース付きの黒いブラが覗いている。
カットソーも黒だし、ゆったりした作りで生地もそれなりに厚くて、ラインが出ないからいいかとキャミソールを着ていなかったからか。
「ダメ、隠しちゃ。ね、もうちょっとだけ見せて。ほら、誰もいないし」
辺りを見渡してみれば、私たち二人だけが取り残されていた。
今日は、「結婚したい男No.1」であるところの堤課長の送別会兼、結婚祝いの会だった。
「みんなは?」
「二次会に行きました。黎子さん、寝ちゃったから、俺が付き添いで残ったんです。店の人に頼んだら、少しだけならここにいていいって」
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