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「…ねぇ、執事? 私はいつまでこの部屋にいればよいのかしら?」
「…申し訳ございません。もう少々お待ち下さい」
「それさっきも聞いたわ。この本もう四周目なのだけど?」
「ですがお嬢様、旦那様からあちら様が到着されるまでお待ちいただくようにと…」
「待てって言うけど、世のお見合いはこんなにも待たされるものなのかしら。女を待たせる男は嫌いよ」
「然様ですか…」
「ところで執事、暇だから新しい本を買ってきて頂戴」
「そう言われると思いまして先程宿の方に頼んでおきました」
「さすが執事ね」
「ただ、謎の雪崩で道路が寸断されてしまったためにお時間が掛かると」
「そぉ、謎の雪崩でぇ。執事、貴方は女を待たせる男ってどう思う?」
「いえ、私の口からじゃなんとも…」
「違うわ」
「はい?」
「貴方はいつも私のこと待たせないわよね?」
「えっ」
「ふふっ、待たせる男は嫌いよ?」
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