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「お嬢ちゃんの名前は?私の名前は憲緒、女の子なのに男の子みたいな名前で変でしょ」
少女の心はほっと和らいだ。
「変じゃないよ、私はあゆみです」
一旦別れたあゆみちゃんと私は再び会う約束していた。
巫女の格好から私服に着替えてから彼女を訪ねた、ベージュ色のコートの下はブラウスとスカート、私って判るかしら。
「憲緒お姉ちゃん」
後ろから声を掛けてくれた、私は少しほっとした。
「あゆみちゃん、私の事はのりちゃんで良いわ」
あゆみちゃんの暖かい心を感じた、少し照れているのは、私を大人の女性と見ていてくれているからだ。
「うん、のりちゃん」
だけどまだ彼女に完全に信用されている訳では無い、僅かな不信感と不安が彼女には有る、それはこれから私が大きな鳥に会うことを快く思っていないからだ。
「あゆみちゃん大丈夫?これから私が鳥さんとお話しする事だけど」
ますます、彼女の心に不安が広がる。
「うん、多分、話だけなら」
彼女の言う鳥さんに私は興味をい抱いた、あゆみちゃんはその大きな鳥とコミュニケーションをしているといる、心は嘘をつけない、彼女は本当に鳥と話が出来るのだろうか。
あゆみちゃんに連れられて、彼女の家の前に着いた、目的地はその隣、広い庭のある大きなお屋敷だ。
「ここです」
門の外から見る限り、全く手入れのされていない鬱蒼とした庭には大きな桜の木が佇んでいた。
「これは、誰か住んでいるの?」
彼女は無言で応えた、心の内を読むと、ずっと前から空き家で人は住んで居ないらしい、この屋敷に住まうのは、その大きな鳥と言うことだ。
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