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「特徴は長髪の白髪でレッドブラッドの瞳を持つ女で、行動は非常に凶暴らしい。もし、クレアールなら殺せ。」
クラウスの頭の中に昨日出会ったフィーネの顔が一瞬浮かぶが、瞳の色が違う上に担がれて寝るような女は何一つ該当しないと思い頭を左右に振る。
「分かった」
「ところで貴さ――」
クラウスは電話の向こうで何かを訪ねようとするのを無視しホードの通話を切った。ホードをカーゴパンツのサイドポケットにしまうと、コーヒーを淹れカーテンと窓を開けると、煙草に火を付け寝惚けた頭をスッキリさせようと努める。
それからは突然ホードが鳴り響くこともなく、外から少しづつ人の声が聞えるようになる。
しばらくするとクラウスの部屋をノックし声をかけるセリアがやったきた。
「おはようございます。クラウスさん朝ごはんの準備が出来ました。入りますよ」
昨日の約束の為だろうかまだ少し早いように感じるが静かにドアノブが回り、セリアが部屋へと入ってくる。
まだクラウスが寝てると思ったのだろうか。静かに部屋を歩く。
「クラウ――」
しかし、セリアの視界に入ったのは、包帯を巻いているとはいえ上半身裸のクラウスが穏やかな顔で外を眺めている姿だった。
人の気配に気が付いたのかセリアと眼が合うクラウス。
「おはよう」
「ふふふ、ふ、服を着てください!」
顔を真っ赤にしたセリアがベッドの上に脱ぎ捨てられた灰色のシャツを一直線にクラウスへと投げる。
それを顔面でキャッチしたクラウスは理不尽だと思うのと同時に、十歳そこそこに見えるセリアをませてると思いながら大人しくシャツを着る。
「びっくりした……」
びっくりしたのはクラウスだと思うのだが、感想を述べたのは未だに顔が赤いセリアだった。
その後は昨日と同じくセリアの後を着いて行き地下の食堂へと向かっていた。
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