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「おお、綺麗になってる」
「すごい、すごい!」
目をキラキラさせて真野を見る二人はさすが親子だと思う。
同じ反応を見せるものだからつい笑ってしまった。
「真野ぉ、何笑ってんだよ」
頬をぷにぷにと摘み顔を近づけてくる信崎に、真野の表情は緩みっぱなしだ。
「だって、可愛いんですもの、二人とも」
このやろうと散々と頭やら頬やら弄られ。満足した信崎が、片付けありがとうと礼を言う。
「いいえ。さて、次は洗い物をして洗濯をして……」
やることを口に出して確認している途中で、
「なんか、良いな、こういうの」
と、真野を優しく見つめていた。
好きな人からそんな顔をされて嬉しくない訳など無い。
口元に手の甲を当て照れる真野の、その額に唇が触れる。
「可愛いな、お前」
「の、信崎さん! 浩介君がいるんですよ」
ソファーに座りテレビに夢中になっている浩介へチラッと視線を向ける。
「そうだったな」
と、恍けて。浩介の視界に入らぬようにキッチンへと連れ込まれる。
「もうっ」
それでも自分に触れてくれることが嬉しくて。
信崎の袖を掴み引っ張れば、唇に柔らかいモノが触れた。
「ん……、のぶさきさん」
このままキスしながらベッドに押し倒され、感じる場所の全てに触れて欲しい。
ちゅっちゅと音をたてながら唇を啄み、手が服の中へと入り脇腹を撫でる。
「ふぁ」
信崎を求めるように真野の方から舌を絡めれば、目を細めて唇が離れる。
「あ、ん」
切なく呟かれる声に、
「続きは明日の夜までお預けな」
その時は覚悟しておけよと、親指で濡れた唇をなぞった。
「……はい」
名残惜しそうに上目使いで信崎を見れば、ふっと笑って背中に腕を回してぽんと触れる。
「エロくおねだりしてくれるの、楽しみにしているからな」
と冗談交じりに言われて。
真野はカッと頬を赤く染めて、馬鹿と言って信崎の腕を叩いた。
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