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◇…◆…◇
朝、寝ぼけた浩介君にママと足元に抱きつかれて、キュンとなった。
「浩介君、おはよう」
と頭を撫でれば、母親ではなく真野だという事に気が付いたようで、
「あ、お兄ちゃんだった」
そういって笑顔を見せる。
「可愛すぎるッ!」
その体を抱っこして寝室へと向かう。
気持ちよさそうに眠る信崎を見ていたら、ちょっとした悪戯を思いついた。
「ねぇ、浩介君、お布団の中に潜ってパパをくすぐってきて」
「うん!」
元気よく布団の中にもぐっていき、くすぐりはじめた。
「ん……、ぐは、ちょっと、そこは」
「こちょこちょ」
浩介がそう口にしながら手を動かした。
「や~め~ろぉ~、浩介ぇ」
くすぐったくて身をよじる信崎に、
「目、覚めました?」
と頬を撫でる。
「わぁ、起きるから、浩介、やめて」
「浩介君、もういいよ」
布団を捲りあげて浩介君を抱き上げた。
「楽しかった」
「そう。じゃぁ、朝ご飯を作っちゃうからパパにお着替えさせて貰ってね」
「はーい」
手を上げてよいお返事をし、服の入ったリュックの傍へと向かう。
「なんか、真野にパパって言われると、本当の夫婦みたいだな」
そう嬉しそうに言う信崎に、真野も照れつつ。
「実はですね、さっき、寝ぼけた浩介君にママって言われました」
キッチンでの出来事を口にする。
「そっか。じゃぁ、浩介を着替えさせてくるな、ママ」
と、ママの部分をやたら甘く耳元で囁き。
耳を押さえながら信崎の方へと顔を向けると、口角を上げて浩介の傍へと向かう。
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