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そして大した抵抗もせずに殴られて、刺されて、そこで初めて自分が襲われていることに気付く。
そこからは「許してください」とか「俺が悪かった」とか漫画みたいなことを泣きながら言い始める。
その瞬間が俺は快感だった。
今までずっと周りに対してあれほど横柄な態度を取ってきた男が何てざまなんだろう。
人に仕事ばかり押し付けて自分はろくに仕事もせず、自由奔放に日々を送ってきたこの男は多分、自分を中心に世界が回っていると勘違いしている。
その勘違いが許せない。
まだまだ殺し足りない。
今まで溜め込んできた感情が溢れでてくるのを俺は抑えられない。
俺の気が済むまで何回でも殺し続けてやる。
……しかし、さすがに疲れた。
人を殺すのだってそれなりに体力を使う。
いや、殺す前に戻れば体力も消耗する前に戻っているはずだから、どちらかというと精神的に疲れているのだろう。
今日は休むことにしよう。
以前と同じようにおとなしく仕事をこなし、適当な時間に帰ってゆっくり寝よう。
時間はいくらでもあるのだから今日やっても明日やっても同じことだ。
俺は長い期間過ごし慣れた今日を離れ、久しぶりの明日を迎えることにした。
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