第二章 攻撃擬態

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「山下さんは、ずっとここでバイトを?」 「ただのボランティアです」 強く否定された。会社でバイトしていると言われると面倒だと思ったのだろう。 「あ、すみません。ボランティア長いんですか?」 「ええ」 詳しく色々聞いて会社でネタにされると感じたのだろう。山下から笑顔が消えていた。 「…ハム面白いですね」 「ええ。申し訳ありませんが後ろも支えていますので無駄話は…」 申し訳なさそうにそう言われるとそれ以上言える事はなかった。 元々子供向けなのだろう。組み立て自体は特に質問することもなく、すんなり完成した。 「お疲れ様です。工作は以上で終了です。よろしければご自宅でも遊んでみて下さい」 山下が営業スマイルを見せた。 「あ、どうも」 「山下さーん、手空いたならお昼行っていいよ!」 時計を見ると、十二時十分だった。 「はーい」 「なんなら、そっちの彼と食べてくるといい。園部さん帰っちゃって、券余っているから」
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