第一章 隠蔽擬態

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ー食堂ー 「…お昼はこちらで食べます。大体皆お弁当持ってくるか、買ってくるか。仕出し弁当を注文する場合は…」 服部は滝川の説明を聞きながら、食堂を眺めていた。 (ふーん、テーブルが幾つかあって何人かで固まって食べてるんだ。女子事務員はあのテーブルにまとまって…) 服部の目に先程お茶をだしてきた女子社員が目に入った。 (彼女は、一人なんだ) 山下は、女子社員のグループからは外れ、一人スマートフォンを触りながら手作り弁当を食べていた。 「服部くん、彼女は余り関わらない方がいいよ」 服部の視線に気が付いた滝川が、こっそり耳打ちをした。 「あの子、すっごい変な子。ノートに点とか棒とか変な絵とか書いているの。昼休みに変な本読んでるし」 (ふーん。普通の人に見えるけどな) 服部は適当に空いている席で食事を取った。
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