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しかし、その考えが甘かったことを、僕はすぐに思い知ることになる。
図書館。
どうしてこの場所がそんな露骨な名前をつけられているのか、僕はその理由を、現在身をもって知らされているのだ。
つまり単純に、数が多い。
僕には白い同居人や万能の同級生にあるような化け物じみた速読のスキルもないし、保健室を支配する後輩のようにこの施設を隅々まで把握している訳ではない。
一つ一つ見落としの無いように、と、もうすでに太陽が南中してしまった。
時間が――かかり過ぎるのだ。
僕はもう何冊目かわからなくなってしまったそれを棚に戻すと、端に設けられた読書スペースのソファに倒れ込んだ。
ひどく肩が凝っている。
それにずっと立ったままで作業を続けていたのと、昨日の疲労が抜けていないのとで、足には痺れが巻き付いている。
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