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僕は体が弱かった。だから、いつも診療所にお世話になっていた。
知らずに食べ続けていた耳の素が、僕の成長と共に形を成していく。
変化がおきたのは高校3年の5月だった。
朝、いつものように顔を洗う為に腕捲りをした時、悲鳴をあげた。
腕に耳があった…。
何が起きているのかわからない。ただ恐ろしくて恐ろしくて恐ろしくて。
気持ち悪い…気持ち悪い…気持ち悪い…。
ひとつ耳が出来ると次から次へと耳が出来た。
左腕が耳だらけになり、右腕も耳だらけになった。
寝ている間に耳が皮膚を突き破って表面に出てくる。
怖い…。助けて…。
毎日、恐怖と気味悪さと、これからどうなってしまうのかと不安に怯えていた。
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