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毎朝、朝食は炉樹が作ってくれる。炉樹は朝型の人間らしく、早起きした後、街中走り回り、〈ダイスカフェ〉のパンフレットを配った後、5人分の朝食を作る。どこからそんなエネルギーが湧くのか不思議だったが、ミイナと刹那の会話で読めた。
「スッカリ夢羽の虜ね、彼」
「夢羽が来てから見事に豹変した」
「きっと良い男目指してるのよ、今時珍しい人だわ」
私も会話に参加する。
「炉樹兄ちゃん、時代遅れ。単純脳味噌!!」
咲夜はアップルタルトをマジマジと見、恐る恐る口に運んだ。
「炉樹、嫁に行けるぞ。俺はそんな趣味ないけどな。他を当たれ」
私はうにご飯にうつつを抜かした。
「お兄ちゃんの手料理より絶対こっちが美味しいって!」
うにを舌で転がす。甘くて苦い。炉樹への愛の鞭だった。
炉樹は暗い顔でアップルタルトをやけ食いしている。
「夢羽、この中で1番好きなヤツは?」
「うにご飯」
「違うだろ?人だよ、人」
私は咲夜の腕にしがみ付く。
「咲夜兄ちゃんだよ。一緒に風呂に入った仲なの」
咲夜はこんな状況でも至って冷静だった。
「こいつの言葉は当てにならん。何も考えるな」
炉樹が見る見る青ざめる。
「咲夜さん、ロリコンだったんですか?」
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