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〈ダイスカフェ〉の定員は5人で割りと似た者同士が集まっている感覚があった。マスターのミイナと君によく似た炉樹と私に殺意を込める咲夜とマイペースな刹那。
5人ということは後1人いる。ご察しの通り、新たな店員ができようとしていた。
「頑張ります!!」
私の知っている人間界の掟を一方的に守ろうとして引かれないか心配したが、杞憂に終わったようだった。少なくとも炉樹は私に興味を示した。
朝の内に街中一周して来たらしく汗を滴らせながら、言った。
「今日からここが君の家だ。僕に甘えておいで、夢羽」
ミイナが可笑しそうにクスリと笑う。口元に拳を当て瞑った目に涙が溜まっていた。
「7歳ぐらいの子が趣味なのね。てっきりあっち系かと思ってた」
炉樹はミイナを無視して私の手を引っ張る。痛いぐらいの握力だったが、人の暖かさについて父が語っていたものや君自身がくれたものを思い出し、思わず握り返す。
炉樹がハッとした表情をしたのを見逃さなかった。
「どうしたの?お兄ちゃん?」
俯く炉樹に私はあどけなく声をかけた。
何を言うこともなく、手を握り合ったまま、視線をぶつけ合う。
マヌケな声で鳥が鳴いた。
「僕は何処かで君を見た」
「私、知らない」
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