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あの時を思い返すと…。
僕の人生は恥の連続だった。
確かあれは十五歳? もしかすると十六歳かもしれない。
「お兄ちゃん、この時間やから大丈夫。ちゃっちゃと済ましぃー」
僕はあとたったの三駅、ほんのその程度の区間を我慢出来なかった。
目的の駅まであと少しというところで……そうなんだ。もう我慢が出来なかったんだ。
「でも、もし人が来たら? 見つかったら変態だと思われちゃうし」
「お兄ちゃんは女の子みたいやから大丈夫。バレへんって」
そうして僕は女子トイレへと歩いて行った。
何故こんなことになったのかだって?
それには悲しくも切ない、浅ーい訳があるんだ。
──時間を電車の中に居た時まで巻き戻そう。
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