１０年の想い

学校が暗闇の中にぼんやりと見えてきた。
10年ぶりのクラス会は、地元で初詣という計画だった。
何人くらい集まっているのだろうか。

ワクワクしていると、急に手首を掴まれた。
「ちょっとこっち」
まるでデジャブ。

彼は着物の私を気遣うように、ゆったりとした歩調で路地に入って行く。
少し入った所で立ち止まり、振り向いた彼はまるで10年前にもどったような顔をしていた。