10年の想い

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あの角を曲がると学校が見える。 少し早足になって歩いていると、横から 「おい!」と声をかけられ、飛び上がるくらい驚いた。 「そんなに驚くか?ふつー」 そう言いながら私の前に立った人は、白い歯を見せてニカッと笑った。 ヒョロっと背が高いのも、髪がサラサラなのも、眼鏡をかけている所も、よく通る声も、全てが昔と変わらない。 その笑顔でさえも。 まるでタイムスリップしたような既視感。 10年前も、ここで声をかけられた。 あの時は大晦日ではなかったけれど。
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