10年の想い

6/17

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
彼とは、とにかく気があって。 歌も映画も小説も、彼とは嘘のように好みが同じだった。 冗談を言い合って、笑いあって、一緒に映画を見に行ったりもした。 とても、とても、大切な友人だった。 別々の大学に行くのは寂しかったけれど。 卒業式の日は、久しぶりに一緒に帰った。 もう、こうやって肩を並べて歩くのも最後。 「クラス会で会えるよね」 「それなら、来月やろうぜ!クラス会!」 「来月!?早すぎるよ」 そう言って、笑いながら帰った。 あそこの交差点でお別れ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加