10年の想い

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気がついたら、彼の体を押し返して首を振っていた。 「俺が嫌いか?」 違う違う!そうじゃない。 ただ首を横に振る。 「ずっと特別だったんだ」 わからない。 そんな事、言われたことない。 わからないよ。 首を横に振って、その場を逃げ出した。 「好きなんだよ!」 後ろから彼の声が追いかけて来たが、捕まらないように必死で走る。 家に着いた時には、ぐちゃぐちゃに泣いていた。 何が悲しいのか、悲しいわけではないのか、自分の気持ちがわからない。 ただただ涙が止まらなかった。
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