Chapter.1 桜井澪という女の子

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「ハルの隣の席キープ!」 「澪・・・」 ーー林間学校当日、バスで俺と澪は隣同士だった。 「林間学校、楽しみだね!澪、たくさんお菓子持って来た!」 「澪、無理してないか?」 「え?」 「まだおばさんが亡くなってからそんなに経ってない・・・」 「大丈夫だよ!澪にはハルがいるから!心配しないで?」 「そっか」 「約束したもんね?澪はハルのお嫁さんになるって!ずっと一緒でしょ?」 「そうだな」 「ほら!ネックレスにしたの!ハルがくれた指輪」 澪は首にさげてる指輪を俺に見せる。 「ネックレスにしたんだ」 「うん。指にしてたら皆にからかわれて恥ずかしいし。澪、毎日このネックレスつけるようにしてるんだ。お守りみたいで良いなって」 「そっか。じゃあ、絶対落とすなよ?」 「分かってるよー!」 大事に持ってくれてるんだ、澪のやつ。 嬉しいな。 澪と話していると、あっという間に到着してしまった。 「ハル、お昼はカレーだって」 「飯盒炊爨でやるんだろ?面倒くせぇなぁ」 「澪、野菜洗って切っちゃうね!」 「ケガすんなよ?」 「ハルはお母さんみたいだなぁ」 「澪は危なっかしいんだよ」 「大丈夫!最近は澪が晩御飯作ってるんだからね!澪が今、お母さんの代わりだから」 「そうだったな」 「 それに、ハルのお嫁さんになるんだもん。今から料理出来るようにしないとね?」 「あんま大声で言うなよ」 「バレた方が良い気がするな、澪は」 「何で?」 「ハルはモテるから」 「は?俺が?」 「うん。足が速いからね!」 「そんな理由で・・・」 「ハルは澪のだって皆に言いたいな」 「やめろ、恥ずかしいじゃんか」 「照れたハル可愛い!!」 「さ、聡手伝ってくる!」 全く、澪は・・・。
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