Chapter.1 桜井澪という女の子

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「ハル、美味しいね!カレー」 「ああ」 「この後どうするんだっけ?」 「ウォークラリーだろ」 「優勝したら3DS貰えるかな!?」 「そんな景品が豪華なわけないだろ」 「もう!ハルは夢が無いなぁ」 「うるせぇ。澪が夢見がちすぎんだよ」 「あら、良いじゃない。女の子は夢見がちなの」 「あっそ」 「明里ちゃんと聡くんも同じ班で良かったよね」 「まあな」 「ね、ハル」 「ん?」 「林間学校終わったら夏休みだね!今年の夏は楽しみがたくさんだよ!」 「夏休み何かあったっけ?」 「・・・デート」 「え?」 「ハル、澪とたくさんデートしてくれるんでしょ?」 「で、デートって・・・」 「澪はハルの彼女じゃないの?」 「か、彼女・・・だよ」 「じゃあ、デートするのは当たり前だよね!」 「何処行きたいんだよ?」 「えっとね、ランドとシーと牧場と動物園と・・・」 「そんなに行けるほどお小遣い貰ってないよ、俺達」 「そうだよね。小学生だってデートするのにお小遣いが見合わないねぇ」 「小学生はあんま付き合わないだろ、普通」 「でも!澪はハルと一緒なら何処でも良いかな。何処行っても楽しいし!」 「そうだな」 「映画ならまだ行けるかな!澪、恋愛映画観たいのあるんだー!」 「は?俺は仮面ライダーが観た・・・」 「だーめ!デートなんですから!」 「はいはい。分かりましたよ、お姫様」 なぁ、澪。 何で俺はあの時気付けなかったのかな。 澪とは一生一緒にいられるだなんて信じ切っていた。 信じてたのに・・・
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