Chapter.1 桜井澪という女の子

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夜は肝試しがある。 夕飯が終わると、俺達はすぐに宿泊施設の外へ。 「今から肝試しを行う。地図に書かれた場所に蝋燭を置いてスタート地点に戻るというゲームだ!ペアはくじで決めるぞ!」 ペア、澪とが良いなぁ。 だけど 「ハルはあたしと、だね」 「明里・・・」 俺のペアは明里だった。 「あたしじゃ不満ー?可愛い可愛い彼女がいるもんね、ハルは」 「不満じゃねぇよ!」 「大丈夫!澪は聡とだし。行こ?ハル」 「ああ」 相手が聡でもやっぱりもやもやするなぁ。 俺って心ちっちゃいのかなぁ。 「明里、さっきから顔引きつってるけど大丈夫か?」 「へ、平気だし!おばけくらい!きゃっ!」 「明里!」 明里は先生に脅かされ、俺に抱きつく。 「ご、ごめん!ハル・・・」 「大丈夫だから」 開始後10分。 俺達は懐中時計で辺りを照らしながら歩く。 こいつ、意外とおばけとかだめみたいだ。 先生が脅かしてくる度、明里は悲鳴を上げてる。 「はぁ、何で肝試しなんかやるのよ・・・」 「怖いんだな」 「こ、怖くなんか!」. 「俺には無理しなくて良いよ」 「っ・・・」 「蝋燭セットよし・・・っと」 俺は指定された場所に蝋燭を置く。 「ん?帰りは違う順路で行くみたいだな」 「ま、まだ脅かしてくるつもり!?」 「びびりすぎだよ、明里は」 「だからあたしは!」 「ほら」 「え?ハル・・・」 「行こ、明里」 俺は明里の手を引いてゴールまで走った。
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