Chapter.1 桜井澪という女の子

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翌日から澪はぱったりと家に来なくなった。 家に電話をかけても誰も出ない。 澪の家に行っても誰もいない。 「何か、事件に巻き込まれたのかしら」 「やめてよ、母さん!きっと、おじさんと旅行に行ってるんだよ」 「そ、そうよね」 でも 俺に一言も言わず・・・? 「明里にも何も言わなかったのか」 「うん」 「俺も何も知らないや」 明里と聡に聞くと、二人も澪について何も知らないようだった。 澪がいなくなってから一週間。 夏休みの終わりも近い。 「あたし、ハルんちに澪が最後に来た次の日、澪を見たよ」 「え?」 明里は突然俺に言った。 「すごく暗い顔をしていた。声をかけたかったんだけど、すぐその後におじいさんの車に乗り込んじゃったから・・・」 「誘拐じゃないのか!?それ」 「違うと思う。澪のおばさんの葬式で見た事がある人だったから」 「何で早く言わなかったんだよ!明里!」 「だ、だって一週間もいなくなるだなんて思わなくて」 明里は泣きそうな顔で言った。 「落ち着けよ、ハル。明里を責めるな。澪ならきっと大丈夫だよ。知らない人について行くようなバカな奴じゃない」 「うん・・・」 「新学期になったら元気に登校してくるよ、きっと」 「ああ、ありがとう。聡・・・」 だけど・・・
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