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「今日からこのクラスの担任をする牧村だ。よろしくな」
担任は男になったか。
「今日から新学期。今年から編入してきた学生がこのクラスに入る。入って来なさい」
へぇ、転校生ってうちのクラスに入るんだ。
どんな奴なんだろ。
担任に呼ばれ、転校生が教室に入って来る。
だけど
え・・・
「桜井澪です。北海道から転校してきました。分からない事がたくさんあると思うので助けて貰えると嬉しいです」
「めっちゃ可愛い!」
「彼氏はいるんですかー?」
澪・・・
澪・・・なのか!?
俺は立ち上がる。
「どうした?本城」
「す、すみません・・・」
俺は明里と聡と顔を見合わせる。
大人っぽくなったな。
綺麗になった。
長い黒髪をハーフアップにして、名門女子校の制服を着ている。
化粧っ気は全く無いのに綺麗だ。
ホームルームになると、俺はすぐに澪の席へ行った。
「澪なんだよな!?」
あの夏、どうして君は俺の前から・・・
だけど
俺を見た彼女は戸惑った表情をした。
そして
「ごめんなさい。どちら様ですか・・・?」
「えっ?澪・・・何言って・・・」
「ごめんなさい。私・・・記憶が無いんです。中学生以前の記憶が・・・」
彼女は泣きそうな顔でそう言った。
記憶が無い・・・?
久しぶりに再会した初恋の女の子は変わってしまっていた。
ようやく再会出来たのに、神様は残酷だ。
どうしてだよ・・・。
何で・・・澪なんだよ。
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