Chapter.2 もう一度。

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「何でだよ・・・」 せっかく会えたのに君がこんなにも遠い。 「澪・・・」 俺はどうすれば良い? ずっと会いたかった。 ずっと話したかった。 でも、 君はもう・・・ 「大丈夫かよ?ハル」 「あ、ああ」 今日も聡と明里と俺は帰る。 「再会したら全部忘れてた、なんてな」 「でも、澪が記憶を無くしたのは転校したずっと後よ。あたし達に何も言わないで転校したのは記憶を失う前の澪がした事。結局、澪はあたし達を裏切ってた」 「そうだな。ハルは結婚の約束までしたっていうのに。俺も澪には失望した」 「お、俺は澪が裏切ったなんて思えない!」 「ハル・・・」 「何かあったに違いない」 「またハルはそうやって・・・」 「期待するだけ馬鹿だぞ、ハル。桜井澪にはもう関わるな。記憶を無くしてるんだ。余計傷つくだけだぞ」 「俺は・・・」 「澪はもう昔の澪じゃない。忘れなさい」 「俺も明里も澪とは決別するんだからさ」 忘れるべきなのか? 澪を・・・ ーー翌日。 「あれ、聡は?」 「保健室」 「体調悪いの?あいつ」 「馬鹿。察しなさい」 「ああ、また女か」 聡は1限から女とサボるらしい。 本当女好きだよな、あいつ。 「明里、行こー?」 「あ、うん!ごめん、ハル!あたし、舞達と音楽室行くから」 「あ、ああ」 明里は友達と音楽室へ向かうらしい。 1限から移動教室か。 聡はいないからなぁ。 仕方ない、1人で行くか。 澪には話しかけづらいし。 澪、1人だな。 まだクラスに馴染めてないのかな。 やっぱり、俺・・・
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