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昼休みになると、俺は陽と購買へ向かう。
「唐揚げサンド残ってるかな」
「あれ、めちゃくちゃ美味いよな」
売り切れてたら最悪だな。
だけど
「あ・・・」
「陽?なんだよ、急に立ち止まって・・・」
「森川先生、こんにちは!」
陽は英語を担当する森川先生に挨拶をした。
「あ、こんにちは。成瀬くん、本城くん」
「こんにちは・・・」
森川先生は20代前半の先生で若くて綺麗だから男子生徒に非常に人気がある。
いつも髪をポニーテールにしていてスカートを履いている女らしい人だ。
おっとりしていていつもニコニコしている。
やっぱり綺麗な人だな。
澪みたいな美少女のが俺は好きだけど・・・
「あ、成瀬くん」
「はい!」
「寝癖、ついてるよ?」
森川先生は陽の寝癖を直す。
「はい、直った」
「あ、ありがとうございます」
「じゃあね」
陽は森川先生が行くと、彼女の後ろ姿を見つめた。
陽、もしかして・・・
「森川先生が好きなのか?」
「あはは。不毛な片思い。一年の時からずっと好きで。難しいって分かってるけど、彼氏になりたいんだ。俺!」
「も、森川先生の!?」
「教師と生徒だからな。だめなのは分かってるよ?でも、本当に好きなんだ。告白もまだしてないしさ。何もしないで諦めるのは馬鹿だろう」
「そうなんだ・・・・」
陽は片思いをしているのか、ずっと。
「やっぱり無理って思うよな?ハルも」
「分かるよ」
「え?」
無理なんだよ。
忘れるとか諦めるとか。
こいつになら話しても良いか。
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