Chapter.2 もう一度。

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ーー放課後。 俺は昇降口で待ってみる。 あ・・・ 「み・・・桜井!!」 彼女が来ると、俺は彼女に声をかける。 「本城くん・・・?」 「い、一緒に帰ろう」 「良いの・・・?」 「記憶が無くなったら友達じゃなくなるってルールは無いだろ」 「え?」 「記憶が無くなっても桜井は桜井だ」 「あ、ありがとう。私ね、本城くんと話がしたかったんだ!」 「桜井・・・」 「話しかけてくれると嬉しいよ」 澪はにっこりと笑って言った。 変わってない。 澪は澪だ。 「本城くんと私って幼馴染みだったの?」 「ああ。俺だけ生まれた時からずっと一緒。明里達は小学校で出会った」 「そうだったんだ。何で私、忘れちゃったんだろ」 「事故だったって・・・」 「事故なのかな」 「え?」 「私は自分からトラックの前に飛び出したらしいの」 「え・・・」 「何でそんな事をしたのかおばさんに聞いても教えてくれない。おばさん、言ってた。記憶を取り戻しちゃだめって。取り戻したら辛いから・・・」 「辛い?」 「何故辛いかは分からない。でもね、私!本城くん達に会えて嬉しかった」 「え?」 「私は思い出したいよ。逃げるのは嫌なの」 「大丈夫だよ」 「え?」 「きっと思い出せるよ」 「うん」 死のうとしてたのか、澪は。 何があったんだろう。 やっぱり澪が突然いなくなったのには理由があるんだ。 「良かった。元気そうで。ずっと心配していたんだ」 「ねぇ、本城くん」 「ん?」 「私は本城くん達に何かしたの?」 「明里が怒ってたからか?」 俺が聞くと、澪は頷く。 言うしかないようだ。
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