Chapter.2 もう一度。

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「あそこの本屋は品揃えが良い。あそこの映画館は他の映画館でやらないような映画もやるな。あそこのラーメン屋は醤油ラーメンがダントツ」 「ありがとう。結構遊べるとこあるみたいだね」 「ああ、あそこにはショッピングビルがあるし、ゲーセンもある」 「そっか。じゃあ、寄り道たくさんしちゃうね」 「ああ」 「でも、私・・・まだクラスに仲良い女の子いないからなぁ」 「お、俺がいくらでも付き合うよ」 「え?」 「友達だからさ」 「ありがとう。でも、女の子の買い物は長いよ?」 「お前に振り回されるのは慣れてるし」 「えー?何よ、それ」 「いくらでも付き合ってやるよ」 「ありがとう。そうだ、本城くんに聞きたい事があったの」 「ん?」 「私を小さな頃から知っているなら知っているかなぁって」 「何を?」 「これ」 え・・・ 澪は首から下げていたネックレスを俺に見せる。 それは俺が澪と結婚を約束した時にあげた玩具の指輪をネックレスにして首から下げていたようだ。 「事故に遭った日もつけてたっておばさんが言ってたから。誰かから貰ったお守りか何かなかなって」 「毎日つけてるのか?」 「うん。つけているとお守りって感じで落ち着くんだ。本城くん、何か知らない?」 っ・・・ 言ったら彼女はきっと動揺する。 何かが変わるかもしれない。 でも 「知らない・・・。」 「そう・・・なんだ。亡くなったお母さんがくれたのかな」 澪に思い出して欲しい。 全てを・・・。 澪、どうしたら元に戻れるのかな。 「今日はありがとうね!また明日ね、本城くん」 「ああ、また明日・・・」 それでも、君がまだあのネックレスを大事に持ってくれている事に可能性を感じたんだ。 もしかしたら澪にはまだ気持ちが・・・って。 バカかな。 「言いたかったな。俺が渡したって」 でも 今日は本当に楽しかった。 澪はやっぱり澪のままだった。 俺は澪がまだ好きだ・・・。 好きでいたい。 君が俺を忘れてしまっていても。 そう、思ったから。
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