Chapter.2 もう一度。

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「ハル、澪と関わるなって言ったよな?」 教室に戻ると、聡が冷たい声で俺に言い放った。 澪は戻る途中で先生に呼ばれたので、俺は陽と先に教室に戻った。 「ハル、澪はあんたを忘れてるんだよ?」 明里も一緒になって言う。 「お前らが澪と関わりたくなければ勝手にすれば良い。でも、俺は澪と関わるよ。俺にとって今でもあいつは特別だから」 「ハル!」 「俺は忘れるなんて無理だから」 「俺達はハルが傷つくの嫌なんだよ」 「そうよ。あの日からハルはずっと・・・」 「ほっといてくれよ!俺は平気だって言ってるだろ」 「あ、桜井さん・・・」 「何かあったの・・・?」 「大丈夫だ。桜井には関係ない事だから」 「でも・・・」 「そろそろ先生が来る。席ついとこうぜ」 「あ、うん・・・」 何で明里と聡は分かってくれないんだ。 あんなに仲が良かったのに。 いつも四人一緒だったのに。 いつからか距離が開いていた。
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