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携帯の画面に映っていたのは無機質な文字。 『お前は呪われた』 呪いのメール。 いや、チェーンメールか。 昭和な時代には、『不幸の手紙』と言われていたものが、電子化に伴い呼び方が変わった迷惑行為。 その後に続く文面はありきたりのもの。 『呪いから逃れたくば……』 そらきた。 何人かに同じ文面を送れというお決まりのパターン。 実際、このメールの発信元も分かっている。 登録メールアドレスにあるようで、クラスメートの女子の名前が表示されている。 最も、あまり話したこともないやつだが。 くだらないな。 最初に出したやつもそうだが、まともに信じる方もどうかしてる。 それでも、一応は画面をスクロールさせて、続きを読む。 間違い探しのような気分だ。 『呪いから逃れたくば、窓を開けて外を見よ』 ん?聞いたことないパターンだ。 はて、どんな意味があるのやら。 まさか、窓を開けた瞬間にBB弾を撃ち込まれるとかないだろうな。 おそるおそる窓を開けてみると、メールの発信元である女子がそこにいた。 女子は、僕が窓を開けたことに気付くと、手を振り、大声をあげた。 「大輔君、大好きです!!」
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