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「はぁぁぁぁぁ」
大きなため息を吐きながら、俺篠宮 古真(シノミヤ コマ)は、夜の賑やかな街を歩いていた。
どうして、ため息を吐きながら歩いているかというと、事の始まりは数十分前に遡る。
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「お兄ちゃん?お願いがあるんだけど」
「やだね」
部屋をノックしてから扉を開け、妹が顔を出した。
どうせまたお使いさせられるのだろうと、俺は即答する。
言ってきたのは、俺の妹の蕾(ツボミ)だ。
いつも何かと俺に買い物を頼んでくる、ぐーたらの妹。
でもまたそこが可愛いんだけどな。
決してシスコンではないけど。
「ねぇー」
膨れた顔で俺を見つめてくる。
「いやだ。自分で行けよな。ぐーたら」
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