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あぁ…どうしよう
告白する前に失恋してしまった…ー
悲しくて悲しくて胸が締め付けられる。
どうせ私のことなんて見ていないのは分かっていた。こんな性格じゃアピールもできないし、目が合うとどうしていいかわからなくなってしまう。でも最近いっぱい話ができて…
忘れ物なんてトリニイカナキャヨカッタ。
『おい、待てよ!逃げるな…俺から逃げるよ!!』
混乱して涙を流しながら走る私にも彼の声はちゃんと聞こえた。手をとって振り向かされる、けれど泣いてボロボロの顔は見せたくなくてうつむいてしまう。
『なによ…からかいに来たの?』
弱っている時でさえ出てくる思ってもない言葉に乾いた笑みがこぼれる。
最後の悪あがきのように彼にぶつける。
『散々私をバカにしていたのね、楽しかった?手の上で踊る私は…『だまれよ』んッ…ん!』
あごをクイッとあげられキスをさせられる。何が起こったのかよくわからなくて離れたあとも何も言えなくなった。されるがままで、抱きしめられる。
『好きだ』
『やだッ!…嘘だ、そんなの!私は好きじゃない!』
その言葉に私は拒絶する。さっきの可愛い子のことが頭から離れなかった。
『いつまでそうやって逃げるつもりなの?』
彼は悲しそうな顔で私を見た。そこで初めて本当の気持ちなのだと知る。それと同時になんて酷いことを言ったのだろうと後悔した。
『君の気持ちに僕が気づかないと思ってるの?』
『えっ…』
その言葉に戸惑う。バレてた恥ずかしさから目に涙がたまってくる。
『僕が君を好きじゃないって信じてる姿が可愛くてそのままにしてたけど…
もうこれ以上は我慢できない』
そう言って頬に手を当て親指でそっと涙を拭ってくれる。
あまりの恥ずかしさ手を退けるぐらいの勢いで下を向いてしまった。
『僕を見てどうして目を逸らすの?
ちゃんと僕に言って、君の気持ちを。
これ以上ぼくを避けないで』
あぁ、どうしよう。もう私には逃げ道が残されていないようだ。
『…ーーーー…!!』
言った言葉に
彼は目を開き嬉しそうに私を抱きしめた。嬉しそうな姿に照れながらも満足してしまうのは惚れた弱みだと思う。
これから私は素直になれるだろうか?
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