第14章 なまごろし

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「すぐに外してやる。だからその物騒な物を下せ」 騙されない――。 律が一歩近づく度 僕は後ずさった。 「おい、どうするつもりだ?」 疲れた顔でネクタイを緩め 頭痛を我慢するように 律はこめかみをさすった。 「一晩中追いかけっこなんてごめんだぜ?なあ、静」 ――その声。 独り言のように 冷たく吐き捨てるその声が 「ウ……アア……」 じきに僕の本能を屈服させるのは目に見えていた。
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