消えない傷

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なにも考えないようにして僕は過ごしていた。涙のワケを恐れて怒りを隠し生きている。 「ねえ?」 不意に呼び止められた僕の目の前にはあの時の僕が立っていた。 「それでいいの?」 季節は巡り幾度なく夜を過ごしても消えない傷。 「分かっているはずだよ?」 もちろん僕は…分かっているさ! このままではいけないことを…… 座ったまま机の上だけをみつめている。僕の周りの人達は僕を冷たい目でみている気がした。勇気?素直?正直?僕だって叫びたかったさ!でも…それはできなく我慢した。我慢して我慢して 「限界を越えてしまったんだ…」 他人の心を知らないように僕の心は誰も知らない。優しさが欲しい、助けて欲しい、僕は… 「立ち上がらないといけない」 ずっとここに座ってはいられない 時間だけが過ぎていった。
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