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携帯の画面を見ると、あの子からのメールだった。今、別れたばかりなのに…。
メールを見ると…。
『ない! ないないないぃぃ――!!』
……。
わたしは何のことだかわからなかった。あの子に電話をすると…、わたしは呼び止められたので振り返った。
「裾に、何かついてますよ」
と、親切に教えてくれた女性がいた。わたしはお礼を言って、ロングコートを脱いだ。
あの時を思い返すと…。あの子が座っていたロングシート席に仕事の資料だろうか、乱雑に置かれていた。わたしのコートは、あの子が引き受けてくれて、その乱雑に置いてあった資料の上に置いた。――ああ、あの時…―― 大き目の付箋が引っ付いていたのだ。
「ないって、これのこと? 『21時にいつものところで…』…なぁに、あんた。誰かと付き合ってんの? 怪しい匂いがぷんぷんするわね…」
「今度何かおごっちゃうから! ありがとう、またね!」
バツが悪かったのかすぐに電話を切られてしまった…。わたしはあの子のメッセンジャーと化した様だ。
そしてこのような場合、ほとんどの者が不幸に見舞われる。わたしはあの子が面倒なことに巻き込まれないように、祈るだけしか出来なかった。
次の目当ての人物がわたしの目の前にいる。わたしは落ち着いて言葉を吐いた。
「いつものところ21時って、誰と?」
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