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「なんだ 来てたんですか」
「悪いかよ」
「そんなことないですって 谷原さんおつかれ」
「おつかれさまです」
帰ろうとするとオーナーに引き止められた
「モデルの件だけど・・・」
「断ったじゃないですか」
「ちゃんとモデル料も払うからさ」
「私なんて・・・」
「いやっ 谷原さんじゃないとダメだって
チラシに載ってる人がいると
お客さんはうれしいもんだよ」
「それはわかるんですけど・・・」
「さっきも話してたんだよ」
「三田さんからもプッシュしてください」
「ナツミさんが美人な罰だと思って」
「もう~」
そう言われると断りづらくなる
「夫に相談してみます」
「OKしないと思うなぁ」
「そうだね」
「三田さんも奥さんにさせたくないですか?」
「う~ん うちは本人が喜んでやると思うけど」
「そうなんですか」
「目立つの好きだから」
私はそうでもない
どちらかといえばレイコの方が適役だ
「どっちにしても木曜日にカメラマンを
呼んであるから」
「えっ!?」
「撮ってもらったら気持ちも変わるかもしれないし」
「困ったなぁ」
「ヌードを撮るわけじゃないんだから」
「やめてくださいよ もう」
「それはセクハラですよ 三田さん」
「すまん すまん」
そのあとはカフェにする話をしたりして
仕事が終わってから1時間ほど帰れなかった
「ちゃんと時給はつけとくから」
ケチじゃないのがオーナーのいいところだ
「強引な男って魅力的じゃないの」
「でも・・・」
「面白そうだから私も木曜日に行くわ」
「ちょっと心強いわ」
「撮ってもらいたいわ プロの方に」
「内田くんと2ショットってこと?」
「ヌードでもいいわ」
「本気なの?」
「私たちもずっと若いわけじゃないのよ」
「わかってるけど・・・」
「ナツミは別に脱ぐわけでもなく
働いてるところでしょ いいじゃないの」
「ヒロシさんは何て言うかなぁ」
「きっと好きにしていいよって言うって」
「あっ そんな気がする」
案の定電話でそのことを話すと
「ナツミの好きにしていいよ」と言われた
その言葉を聞いて無理に断ることもないかと思い直した
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