悪妻ニューウェーブ

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今日は午後から撮影があるが それまでは通常営業だ いつものように10時に店を開けた かなり品物が片付いていて 撮影しやすいようにしてあった このソファもはじめてみる 昨日私が帰ったあとに搬入したんだろう どんな感触か気になるので座ってみた これはいい ただ値段が高いので買うのは ちょっとためらってしまう そんなことをしてると高野くんがやってきた 「そのソファいいですね」 「いらっしゃい そうなのよ 高野くんも座ってみていいわよ」 「本当ですか」 「うん 別に何も言われてないから」 「50万! 結構するんですね」 「これが高いかどうかは詳しい人しか きっとわからないけどね」 高野くんは私の言うとおり座った 「あっ いいですね 欲しくなります」 「じゃあ 頑張って働いて買ったら?」 「まずこのソファの似合う部屋に住まないと」 「ウフフッ そうね 今は?」 「あっ 寮です 一応ひとり部屋ですけど」 「そっか でもお金貯めるのによさそうね」 「はい」 夢の中で話していたからか 高野くんと自然に会話できる自分にびっくりした 「あっ 持って来ました」 「バランスクレーね」 「はい」 レコードをセットするとオシャレな音楽が流れた 「このアルバムは結構聞きやすいんですよ アレンジがシンプルなんで」 「そうなんだ」 音楽は全く詳しくないので聞き役になる
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