悪妻ニューウェーブ

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「谷原さん評判いいよ」 「えっ」 「夜に来る客もわざわざ昼に行くことあるって」 あぁ オーナーの情報を教えてくれた人だ 「美人だもんねぇ」 「そんなことないですよ」 「新婚さんじゃなかったら口説くんだけど」 「ハハハッ 酔ってるんですか?」 「バレた? まだ残ってるかも」 「ハハハッ」 こんな話をしたのは今日がはじめてだ 「旦那さんのために早く帰るんでしょ 美味しい料理とか用意したりして」 「実は今は家にいないんです」 「そっかぁ 出張とか?」 「そうです」 「もしかして退屈しのぎで仕事を?」 「時間があるからっていうのは合ってますけど マジメにやってますよ」 「わかってるよ 売り上げも伸びてるし そうだ 今度チラシ作る時は谷原さんが モデルをしてくれない?」 「えっ 恥ずかしいですよ」 「こんな美人がいる店って評判になると思うし」 「遠慮します」 「ううん 僕はあきらめが悪いからね」 お世辞かもしれないが気分はよくなった 女性を喜ばすのがうまいあたりが遊び人そのものだ 「来てあげたわよ」 派手めな女性が来店した 「おっ うれしいな」 「カズマさぁ 私の名前覚えてる?」 「えっ 名前なんていいじゃん」 「やっぱりね」 「教えて 教えて」 店の中なのに気にせず顔を近づけた 「ローズよ」 「あぁ マリコだ」 「もう 覚えてるんじゃないの! その名前嫌いなのに」 「マリコいいじゃん マリモみたいで」 よくわからないが盛り上がっているので 帰ることにした 「谷原さん 明日もよろしく~」 「はい おつかれさまです」 女性に邪魔されなければ もう少し話をして帰るつもりだった それというのも家に帰ってもひとりだからだ あっ カバン・・・ すぐに気づいて引きかえした
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