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如月高校 2年A組 教室内 終礼が終わり、いつもと同じように鈴が黒斗に声をかける。 「なあなあクロちゃん。今日、レイちゃんも誘ってゲーセンにでも行かへん? 何か、パーっと遊びたい気分なんやわ」 「……ああ、別に構わない。俺は ちょっと日誌を職員室に持っていくから、先に佐々木と校門で待っていてくれ」 「わかった! じゃあ待っとるな!」 ご機嫌な様子で鞄を肩にかけ、出口に向かっていく鈴。 相変わらず明るく元気な彼女の背中を見送り、黒斗は日誌を持って席を立つのだった。 その後 鈴は1年生の教室に立ち寄り、玲二に声をかけると彼は二つ返事で喜んで ついてきた。 そして今、鈴と玲二は2人、校門の前で黒斗が現れるのを待っている。 「……ねーねー、鈴ちゃん」 「何や?」 不意に声を かけてきた玲二に、鈴は首を傾げながら返事をする。 「前から気になってたんだけど、兄貴と鈴ちゃんって、どうやって仲良くなったの?」 「どうやってって……どないな意味や?」 腕を組んで怪訝な表情を浮かべる鈴に、玲二が両手を振って、おかしな意味で聞いた訳ではないと弁明する。 「だってさ……鈴ちゃんは明るくて元気で、お世話やきなのに対し、兄貴はネク……クールで気だるそうで、人に無関心そうじゃん。まるっきり正反対なのに、どうして2人は仲良しなんだろーって気になってさ」 心底 不思議そうな顔をする玲二に、鈴は腕をほどいて笑顔で答えた。 「なんや、そういうことかー。まあ、ウチとクロちゃんが仲良くなった経緯は、話すと長くなるんやけど……聞きたいん?」 「うん! 昔の兄貴とか、最初出会った時のこととか聞きたい!」 瞳をキラキラさせ、興味津々に聞いてくる玲二に、鈴は「しゃあないなー」と前置きをして、黒斗との出会いのエピソードを語りだした――
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