NO.2 決闘

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決闘はまさに広場のど真ん中というところで行われてようとしていた。ギャラリーが多いのはこれが本当の殺し合いだからだ。 群衆の中にいるのは2人。大柄な大剣を背負った大男。群衆の外からでも見えそうな程の大男だ。 もう一人は赤い外套をまとった男。小さく見えるのは、片方の男のせいかもしれない。腰の左右に短剣が一本ずつ。背には藍色の鞘に納められた剣が。顔の下半分は金属製のマスクで覆われよく見えない。 これからどちらかの男が死ぬ。そんなことを平然と囲って見る群衆がフランには冷たく思えた。 だが、先程の店員曰く、そんな野暮なことはするもんじゃない、そうだ。 アスタガルドにいる者の中には復讐を決闘で果たそうとする者もいる。中には1人の女を巡っての決闘も。己の意思で殺るんだから邪魔するのは世間的に言えば野暮なのだ。 勝負は普通に考えれば決まってるようなものだが、フランにはマスクの男から異様な雰囲気を感じていた。
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