1、この頭は遥かなミサキの夢を見る

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 札幌の肩に、僕の身体………ミサキの身体を預けてみる。  護身術でも習っていたのか、随分と筋肉が着いていた。  包丁の傷と思しき、指先の絆創膏。 「そんなお前でも、山鳥なら、どうにかしてくれると思ったんだよ、僕は」 「………奇特な方ですね、朝日様も。  良く似ていますよ、山鳥様に」 「だから好きだけど苦手なんだよ」 「そういうものですか」  付き合った理由も別れた理由もそこに尽きる。  ミサキとそういう関係になった理由は、では、何だったのだろうか。  ふと、思った。  僕が彼女を愛した理由。  単純に『好きだから』だけの奥底に、眠る真実は今にして遠かった。  あまりに遠くて、悲しくなった。
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