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「最近、とてつもなく眠い」
「良く寝ているのに、か」
学ランの上に白衣を着たクソ眼鏡が、パソコンに何やら打ち込む。
羅列される、薬の名前。
そんなに飲んだら、腹が薬で破裂するのでは?
と、ミス・リスカこと、私、夏野松林ミサキは心配の薬箱を漁る。
私の身体が人間として生きていくために、必要な薬。
薬漬けにされてなきゃ生きていけない人間。
一日で幾らの保険料を食っているのだろうか………。
我がことながら、目眩がした。
そもそも、自分のせいなのに。
まるで誰かの読み物を読むような、不安で唇を噛んだ。
「寝ているのは寝ているんだけど」
「食事をきちんと摂って、自殺未遂は控えるべきだな」
「はあ」
「お前のような阿呆には何を言っても無駄だろうがな」
「へえ」
「問題行動を控えれば、健康になり、異常な眠気にも襲われない」
では、一生このままということか。
「問題ガールの私に、問題を出すなよ、問答クソ眼鏡」
「問題が人間の心を持っているとでも言いたげだな」
愛した双子の兄、春日出中朝日が死んでからというもの。
その死因を知りたくて始めた自殺未遂は、もう日課のようになっていた。
「問題は問題なのであって、何も、私を問題視してくれとは一言も………」
「問題を出しているのは、お前の方、なんだけどな」
「は?」
「その問題はお前自身が解き明かすためにあるのかもしれんが」
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