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「そうか! 好きか! 俺も好きだ!」
真央兄ちゃんに抱き締められ、さらには好きと言われて、私は頬だけじゃなくて身体全体が熱くなるのを感じた。
「結婚しよう」
耳元で囁かれて、さらに身体が熱くなる。
私は返事をしようと、真央兄ちゃんの顔を見た。
真央兄ちゃんの瞳が、私をじっと見つめている。
私が口を開いたその時、部屋の扉がバーンとけたたましく開いた。
ギョッとして扉の方を見ると、白いワイシャツと黒いズボン姿の銀髪の青年が入ってくるところだった。
「魔王様! 帰っているなら帰っていると言ってください! ってその女は誰です?」
私は銀髪の青年と目が合い、真央兄ちゃんに抱き締められているのが恥ずかしくなって、真央兄ちゃんから離れようとした。
けれど、腰に回った真央兄ちゃんの腕の力が強くて、真央兄ちゃんから離れられない。
「ちょっと、離してよ」
小声でそう言ったら、真央兄ちゃんの腕の力がさらに強くなった。
「よう、ガイル。紹介しよう俺の花嫁だ」
花嫁と言われて、心臓がドキンと跳ねる。
でも、人が入ってきて、私は少しばかり冷静になれた。
「ちょっと待って真央兄ちゃん。私はまだ結婚するなんて言ってない」
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