十こ目 忠義を尽くす信奉者

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彼は自らが不死の存在になり、何百年、何千年、何万年と生き続けることを毎日願っていたという。 そのような願いを抱いていた理由は、いつまでも生き続けていたい、死にたくないという極めて強い生存欲求のためだ。 そういった気持ちを抱えながら日々を生きていたが、右目を戦によって失ったことから、彼に不幸が襲った。 「容貌の不気味さゆえか、人々から、冷たい視線を浴びることが多くなった。一つしか目がない男など、近くにいてもらいたくないのだろう。相手が言葉に出さずとも、明らかに嫌悪感を抱かれていると感じた。想定できた反応とはいえ、あまりにもつらいことだった」 景政公が、悲しげな口調で言った。 彼は長年、周りからの冷たい視線に耐えていたが、ある日突然、我慢の限界を超えたのだ。 それゆえ、彼は人目を避けるため、放浪の旅に出たという。 しばらく人と接することなく、自然の中に身を置けば、気分転換になると考えたためだ。 最初は順調に旅していたと言った。 ところがある日、強烈な眠気に襲われ、山の奥地にある洞穴で眠ることにしたのだ。 しばらくして目を覚まし、旅を続けるため、彼は顔を隠すようにして人里に近づいたという。 そして、人里を通り過ぎようとした時、長い年月が経ったことをすぐに理解したと言った。 人々の格好や風景が、今まで見てきたものとは明らかに違っていたのだ。 そこで初めて、自身が不死の存在になったことを自覚したらしい。 毎日のように願っていたことが叶ったのだ。 不死身になった喜びを、彼は深く心に刻み込んだという。
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