九つ目 決戦

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その様子を見届けると、満は静かに息を吐いた。 すべて終わったのだ。 窓を叩く音は止んでいる。 後ろから、正樹の声が聞こえてきた。 「死んだのか?」 「もう大丈夫。心臓代わりの左目を射抜いたから。……でも、気になることがある」 満はアーチェリーの弓を床に置きながら言うと、カズマの元へ向かうため、その場から歩き出した。 やがて、床に倒れているカズマの目の前にたどり着く。 「最後の手紙があるはずなんだ」 そう言いながら、満は視線を落とした。 まずは左手を見る。 その手には、スーパーボールが強く握りしめられていた。 まるで、大切なものを絶対に落としたくないかのようだ。 一方で、彼がさっきまで右手に持っていた短刀は、床に落ちていた。 続いて、上体を見る。 羽織と着物の間に、白い紙束が見えた。 「おい、あるじゃん。それが手紙だろ?」 後ろにいる正樹が、やや興奮した口調で言った。 「やっぱりあった……」 満は、手紙を拾い上げた。 そして、それを両手で広げる。 手紙はやや土で汚れていて、字は赤く、おそらくカズマが自らの血を使って書いたのだろう。 この手紙を読めば、祖父に殺された後の彼に、一体何が起こったのかがすべてわかるはずだ。 「これで、すべてがわかる」 満はそう言うと、手紙に目を通した。
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